2018年度生態学会中部地区大会 
2018年11月25日(総会及び大会): 岐阜大学サテライトキャンパス

【総会】

・出席者14名

【報告事項】
・今年度の助成金事業に対して3件の応募があり,厳正なる審査の結果,以下に示す2件の研究課題が採択された。
1)「管理手法の異なる里山棚田景観における土壌動物群集を用いた環境指標の開発-土壌動物群集の存在様式から里山の物質循環を予測することは可能か?-」古群憲洋(新潟大・院・M1)
2)「河川中流域における陸生無脊椎動物供給の実験的遮断が水生動物群集に及ぼす影響」濱島翼(名城大・院・M2)

・会長の大塚俊之より,平成30年11月20日現在までの会計報告があった。引き続き平成31年度案(助成金経費:20万、地区会開催経費:10-15万)が示され了承された。助成金への積極的な応募を募る。

・2020年3月に開催される第67回日本生態学会名古屋大会の準備状況について報告があり、実行委員の選定と一般講演会の内容及び科研費への申請について説明があった。

【審議事項】
・地区会への還元金と配分方式の変更に関しての報告を行い、了承された。還元金が増えるので、何か新しい企画のアイデアを募集する。

・任期満了となる会長及び事務局について、再任が了承された。中部地区では、会長や事務局の選出について、現状では選挙では無く、総会での承認の形式を取っている(Web選挙は導入しない)。

・地区会の持ち回りや本大会の準備などのために各県1名程度の地区会委員を選出する必要性について提案があったが、会則の改定や、今後の選挙の問題などがあるため継続審議となった。

・自然保護委員は長くやって頂いているが、選挙はなじまないので、今後自薦による希望者を募ることとした。

・来年度地区大会は大会実行委員会との共催で名城大学で実施する。

・助成金受賞者の発表の必要もあり(今年度は1名のみの発表)、またポスター発表について期待する意見もあったので、来年度の地区大会でポスター発表を設けるかは、担当の名城大と相談が必要である。

・再来年度の地区会は、これまで開催していない石川県(金沢大 or 石川県立大)を中心に検討することとした。

・総会終了後,研究発表会が行われた。参加者は57名であり,2題の講演会発表と29題のポスター発表があった。発表プログラムは以下の通りである。


【講演会(招待講演)「岐阜県における森林と防災」】

1)「気象条件から作成した岐阜県冠雪害危険度マップ」 久田善純(岐阜県森林研究所)
2)「表土流亡抑止を目的とした過密ヒノキ林の管理手法の検討」 渡邉仁志(岐阜県森林研究所)


【ポスター発表】

ポスター発表会(○発表者、#ポスター賞応募)
P-1# 「Stream drift feeding and microhabitat competition of invasive smallmouth bass Micropterus dolomieu , native Japanese dace Tribolodon hakonensis and pale chub Opsariichthys platypus in the Nogu River」 ○Miles Peterson・Satoshi Kitano

P-2# 「岐阜県郡上市ブラザーの森における苗木の活着・成長の種間差とその要因」 ○CELEGEER, 中川弥智子

P-3# 「雪害によるスギの樹冠欠損が幹表面呼吸の季節変化へ及ぼす影響」○高橋春那・斎藤琢

P-4# 「本州中部飛騨地方におけるヒノキ科天然林の維持機構」○ホルチャ・加藤敦司・川合稜太・福永潮・花田雄亮・小野寺智子・三浦萌香・石田仁

P-5# 「ドローン空撮画像を用いた森林資源量推定:カラマツ林を対象とした研究事例」○TRAN DINH TUNG・清野達之・和田直也

P-6# 「立山連峰室堂山の高山植生と環境要因についての検討」○佐々木雅希・初鹿宏壮・飯田肇・和田直也

P-7# 「北極圏と中緯度高山におけるチョウノスケソウの葉形質の比較」○村井萌香・玉置大介・唐原一郎・Cooper J. Elisabeth・内田雅己・関川清広・和田直也

P-8# 「立山連峰室堂山北西斜面における積雪深と高山植物群落との関係:ドローンを用いた写真測量による積雪深分布の推定」○山田武典・楠本成寿・杉浦幸之助・和田直也

P-9# 「窒素安定同位体比を用いたヒノキの葉と細根の窒素源の推定」○山川大輔・松尾奈緒子・大石有美・杉本恵理・松田陽介・勝山正則・小杉緑子・矢野翠・木庭啓介

P-10# 「隣接した微環境において蛾類は指標として有効か」○田島尚・大窪久美子

P-11# 「熱帯二次林における中・大型哺乳類を対象とした生息地の評価-マレーシア・サラワク州でのカメラトラップ調査-」○堀口和真・北村俊平・Mohd Effendi Bin Wasli・市榮智明

P-12# 「林床草本の付着散布に貢献している哺乳類はだれか?-カメラトラップを用いた研究-」○寺島拓哉・北村俊平

P-13# 「石川県における外来種オニハマダイコンの分布状況:全県レベルと海浜レベルの調査」  ○脇慎之介・北村俊平

P-14# 「熱帯モンスーン気候におけるマングローブ林土壌水の塩分濃度の季節変動」○野田雄弘・加藤正吾・Sasitorn Poungparn・小見山章

P-15# 「長野県三峰川水系山室川の山地河畔林群落における外来種ハリエンジュの影響」○香川周大・大窪久美子

P-16# 「河川周辺の希少植物群落の構造-外来植物はどのように影響するのか-」○中原美穂・大窪久美子

P-17# 「16 年後の里地里山の鳥類群集はどの程度変化するのか」○小木曽快・大窪久美子

P-18# 「福島県只見町にたつ古民家の構造材の樹種組成」○水島夏歩・佐藤拓真・陸川雄太・土本俊和・井田秀行

P-19# 「アリの目からみる地方都市での生物多様性」○植野侃太朗・大窪久美子

P-20# 「混合栄養植物イチヤクソウの実生に定着する菌根菌群集」○河合将生・松田陽介

P-21# 「中日本のスギ人工林のスギ細根内に定着するアーバスキュラ菌根の群集構造」○喜多晃平・谷川東子・松田陽介

P-22# 「志賀高原におけるコメツガ-オオシラビソ林の森林構造」○依田賢治郎・井田秀行

P-23# 「独立栄養性と菌従属栄養性を持つ混合栄養植物イチヤクソウの発芽」○山口友祐・河合将生・松田陽介

P-24# 「マングローブ林における従属栄養生物呼吸の推定」○荒井秀・友常満利・吉竹晋平・大西健夫・大塚俊之

P-25# 「Dynamics of Dissolved Organic Carbon (DOC) and Soil Carbon Sequestration in a Deciduous Forest」○Rashidul Islam・Shinpei Yoshitake・Takeo Ohnishi・Yasuo Iimura・Toshiyuki Ohtsuka

P-26# 「金華山の常緑広葉樹林における生態系純生産量の推定」○鈴木莉央奈・曹若明・陳思宇・吉竹晋平・大塚俊之

P-27 「カメラトラップ法による外来植物ヨウシュヤマゴボウの量的に有効な種子散布者の解明」 ○北村俊平・勝羽芳直

P-28 「表土流亡の抑止効果に着目したヒノキ人工林の下層植生分類へのササ型の追加とその序列化」○渡邉仁志・井川原弘一・横井秀一

P-29 「都市河川のコンクリート護岸壁面を這うツタ性植物が陸生昆虫の供給を通じて魚類に及ぼす影響」○濱島翼・谷口義則 (助成金受賞者の発表)

ポスター賞に応募のあった26名中、次に示す2名が「優秀ポスター賞」に選ばれ、表彰が行われた。
P-8# 山田武典(富山大学・理学部)
P-26# 鈴木莉央奈(岐阜大学・応用生物科学部)


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