企画者:松田裕之(横浜国大・環境情報)
概要: 2010年の生物多様性条約締約国会議を前に、2050年の日本の国土と自然のあり方を問う動きが各方面で見られる。その最大の焦点は、今後の人口減少時代を見据えた中山間地のあり方である。第3次生物多様性国家戦略案でも中山間地などの放置が生物多様性に与える危機について指摘されているが、今後人口減少と高齢化が進む中で、すべての中山間地の人間活動を維持することは極めて困難に見える。また、100年後という時間スケールで見れば、中山間地がいったん荒廃したとしても、やがては二次林が回復してくるという指摘もある。本シンポジウムでは、放置された中山間地が生物多様性と生態系サービスに関してどのように変化するのか、その問題点は何かについて議論する。また、中山間地の人間活動を維持するための条件などについて議論する。さらに、関連するさまざまな国際的な取り組みについても紹介する。