森林生態系の理解に向けてー森林水文学・生態学からのアプローチー

企画者:榎木 勉(九州大学演習林)

概要: 森林生態系は,生物とそれを取り巻く環境との相互作用系である。森林生態系に見られる諸現象を理解するためには,そこで生じている物質・エネルギーの循環を把握し.生態学的事象との相互関係評価することが有効な方法の一つとなる。これまでに,この様な手法でなされた優れた研究も数多くあるが,「生物学」と「物理化学」と表現されることもある異なる分野間に小さからぬ垣根が存在している感は否めない。一方,近年では,地球温暖化に対する生態系の反応に関する研究など,その解決のためには両分野の共同研究が必須と考えられる課題が多く挙げられる様になってきた。

本シンンポジウムでは,森林水文学の研究成果を中心に話題を提供し,それらについて,生態学的視点を加えるという形で,森林生態系の理解をより進めていこうという議論を行いたい。