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開花フェノロジー研究のスケーリングアプローチ:分子から景観まで

企画者:工藤洋(京大)・工藤岳(北大)

概要:植物のフェノロジーは、ダイナミックに変動する環境から生物がシグナルを受容し、活動のタイミングを決断するプロセスである。その決断は、植物の生長や繁殖の成功を決定する主な要因となる。最近の分子生態学的研究は、フェノロジーの調節メカニズムのもつ、自然環境下における機能を明らかにしつつある。その一 方で、フェノロジーは、植物が属する群集や生態系機能に多大な効果を持つ可能性がある。本シンポジウムでは季節性の明瞭な温帯生態系と希薄な熱帯雨林生態系をモデルケースとして、植物の開花フェノロジーを景観と分子という異なるスケールで捉えた研究の新たな動向を紹介する。そのうえで、分子スケールから景観スケール へのスケーリングについての議論を行いたい。