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一般講演(口頭発表) C1-11
植物が複数の種で多少とも群れ,群落を成し生活することは,植物生態学が始まった当初から気付かれていた.が,それが協力のありかたなのか,競争のありかたなのかと言えば,明らかになっているだろうか.この問題は,植物の生産や群落における資源配分そして種多様性を考える上で,とても初歩的なものである一方,植物群落の研究の基本として理解されるべき問題だろう.そこで本研究では,まず植物群落に見られる多種共存・階層分化などが,植物群落が純一時生産の最適化という観点から形成する協力のしくみであることをモデルによって示す.そして,野外に展開する複雑な植物群落の生産構造および多種共存が,実は極めてシンプルな協力の仕組みとして理解出来ることを,広島県の2次林を例に検討する.