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自由集会 W12
シカ個体群の増大は各地でますます顕著になっており,農林業被害にとどまらず,自然植生にも深刻な影響が出ている.いまや生態系管理のうえで,シカ食害への対策はもっとも緊急な課題のひとつである.被害が深刻化する前に対策を講じるためには,植物群落の質的な変化から,シカの影響をいち早く感知することが必要であろう.そこで本集会では,日本各地でシカによる植生への影響を調査している研究者から話題提供をしてもらい,シカの影響によって生じる植生変化の共通性や地域性を明らかにしていく.そのうえで,植物群落保護のうえで重視すべき問題を浮かび上がらせ,今後の研究や対策の方向を考える機会としたい.とくに次のような点に焦点をあてたい.
1.異なる植生帯を比較したときのシカ食害の共通点と相違点
2.植物群落の構造や種組成に対する影響の特徴
3.シカの嗜好性や採食様式と植生変化の関係
なお,本集会は「群落談話会」と「植生地理学の視点」の2グループによる共同開催とする.
知床半島における過去約300年間のエゾシカの増減傾向と近年の爆発的増加による植物への影響
奥多摩地域におけるニホンジカの過密度化と植物群落の変化
照葉樹林に拡大する外来樹木とシカとの関係
コメント:ハマナツメの個体群衰退とシカ食害の関係
コメント:日本の絶滅危惧種の現状について〜減少要因としての食害〜