| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨


一般講演(口頭発表) N1-09

チベット高原横断鉄道の野生動物への影響

星野仏方(酪農学園大・環境), 姜兆文(WMO),劉楚光(中国西北瀕危動物研),吉田剛志(酪農学園大・環境),S. Ganzorig(北大・獣医)

チベット高原横断鉄道(QingZang Railway)、この世界で標高の最も高いところを走るこの高原鉄道は地球上の野生動物の“最後の楽園”とも言われる「青海チベット高原」を南北に分断し、この高原に生息する様々な野生動物の生息への影響が懸念されている。我々の研究チームは文部省科学研究費・基盤研究(A)(課題番号:19255005)の補助を受け、2007年の8月、現地に入り、ホフシル国家自然保護区内に生息するメスチルー(Pantholops hodgsonii)2個体を捕獲し、ARGOSの発信機(PTT)を装着し、世界で初めてチルーの行動に対する衛星追跡を始めた。本研究はこの2個体のチルーの追跡データを基に、人工衛星から求めた積雪量、植生指数、標高(SRTM)、土地被覆などを用いて、チルーの生息環境データベースを作成し、チルーの生息地(越冬地、繁殖地と中継地)内の行動と鉄道との時・空間関係に関する解析結果を報告する。


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