| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨 |
一般講演(ポスター発表) PA1-194
明治大学は学生に対するボランティア活動支援の全学的推進を目的として、2007年に駿河台・和泉・生田の各地区にボランティアセンターを設置した。その際、地区ごとにそれぞれの特色を生かしたテーマを設定することになった。農学部を擁し、他キャンパスと比べ緑が多い生田キャンパスでは、里山をテーマとした活動を展開することが決定した。キャンパスの里山林は約0.4haと狭いが、都市近郊大学の敷地内であり、実践的な教育の場としての利用が期待できる。
活動指針の決定後、担当教員によってボランティアや里山活動・管理に関心のある学生が集められ、ボランティアセンターの活動の先駆けとして里山班が結成された。2007年6月から現在まで、里山班ではスキル向上のための里山の管理と、里山を活用した環境教育を中心に毎月1回活動をしている。里山の管理活動としては、キャンパス内の管理が放棄された里山林のアズマネザサ、クズの除去、オオブタクサなどの外来植物の駆除などの管理活動を行うとともに、神奈川県森林インストラクターを講師に迎えた技術指導を受けるなど、技術向上を図った。環境教育としては、里山林を利用した里山の植物観察会、里山林を流れる小川の簡単な生物調査、小学生を対象とした自然教室の開催を行なった。
このように管理だけでなく、里山に関連した教育活動も同時に行い、里山への関心を抱くきっかけ作りの場を設けてきた。本発表では現在までに行った管理活動や観察会などの詳細、学生不足や活動回数の確保など組織運営における問題点、今後の展望などについて報告する。