| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第56回全国大会 (2009年3月,盛岡) 講演要旨 |
一般講演(ポスター発表) PA1-219
野外での自然環境教育は多くの教育現場で取り入れられつつある。しかしその内容は、体系的な教材が無い場合が多く、担当者に任せられていることが多い。本研究では、社会的関心の高い里山での体験型学習に焦点を当て、受講者の意識変化を図る教育プログラムを作成し実践した。そしてその結果と反省を元に効果的プログラム作成にあたっての留意点を検討した。
千葉県佐倉市畔田にて、水陸両方の環境に依存して生息しているカエル類3種(ニホンアマガエル、ニホンアカガエル、トウキョウダルマガエル)の分布域・生物量調査を行うことから、里山生態系、人間活動と里山環境の変遷、保全への対応を教育プログラムに組み込んだ。
2008年8月19日と20日の2日間、高校生40人を対象に実施した結果、受講者の参加意識を高めるのに重要なポイントは以下3点と考えられた。1.つかみ・導入の徹底による興味の底上げ 2.専門家と参加者の橋渡し役となるTA(Teaching Assistant)の事前教育 3.実施中の担当者と受講者、あるいは受講者と受講者どうしの積極的な相互コミュニケーションである。受講者への事後アンケートから、学習効果としては、非日常体験、新しい知識の増加、見方の広がり(転換)の3点が示された。これらの学習効果を高めることがプログラム作成で最も重要な視点であろう。