| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
一般講演(口頭発表) C2-04
植生群集に実在する空間的不均一性は、バイオマス、被度、出現頻度などの草地の植生群集がもっている形質によって容易に見出したり、測定することができる。これらの形質は草地植生の量的な形質である。本発表では植生の質的な側面として、種数およびBray-Curtis指数で表わした種構成(S-値)を考える。草地に設定した多数の小コドラート内の種数およびS-値の観測値による頻度分布を作る。同時にすべての植物種は、それぞれの種がその出現頻度に応じて、ランダムなコドラートに出現する と仮定した場合の種数およびS-値の頻度分布(帰無分布と呼ぶ)を作る。観察値から得られたコドラート当たり種数およびS-値の分布と、それぞれの帰無分布を比較した。観察値の頻度分布と帰無分布の差異は、草地植生の種数および種構成の空間的不均一性程度を示すものである。この概念を簡単な数値例および実際の草地植生の例を用いて説明した。