| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P1-164

冠水と乾燥の繰り返しに対するネコヤナギとタチヤナギの反応の比較

*中井亜理沙,万木豊,木佐貫博光(三重大院生資)

冠水と乾燥の繰り返しに対するネコヤナギとタチヤナギの反応を比較するために,夜明け前の水ポテンシャル(Ψwpd)と浸透調節(Ψwtlp,Ψosat),バイオマスを,ガラス室内で挿し木苗を用いて調べた.冠水処理(1,3週間)と乾燥処理(1,2週間)を組み合わせた4処理区(F1-D1〜F3-D2)と対照区を設定した.両種ともΨwpdはF1-D2で低下した.3週間の冠水の組み合わせ処理下では,両種とも乾燥期間が長くなっても浸透調節は強まらなかった.ネコヤナギのΨosatはタチヤナギに比べて冠水と乾燥の繰り返し期間が長いほど,徐々に低下した.両種ともより長い乾燥期間に対して葉の割合を減少させたり根の割合を増加させたりしなかった.ネコヤナギの根の成長はタチヤナギよりも冠水によって抑制された.ネコヤナギでは,1週間の冠水と3週間の冠水下で同程度の肥大費目を発達させた.タチヤナギは3週間の冠水下よりも1週間の冠水下でより少ない肥大費目を発達させた.冠水と乾燥の繰り返しに対する2種の反応の違いがみられた.


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