| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
一般講演(ポスター発表) P1-337
再造林放棄地(伐採跡地)の周辺に分布する広葉樹林がシードソースとなり、自然林に遷移する可能性が指摘されている。本研究では、スギ再造林放棄地において、隣接広葉樹林の有無による伐採跡地での更新の違いを明らかにすることを目的とした。
隣接広葉樹林の有無によってスギ人工林と再造林放棄地において植生・毎木調査を行った。伐採跡地には1m×2mの調査枠を100個設置した。また、スギ人工林内には1m×2mの調査枠を300個設置し、前生樹の植生・毎木調査を行い、伐採後、同じ調査枠で更新樹の植生・毎木調査を行った。
隣接広葉樹林の有無による再造林放棄地の更新樹を比較した結果、広葉樹林の隣接していない再造林放棄地は、林冠構成種が有意に少なかった。広葉樹林が隣接しているスギ人工林では、樹種により林縁効果が異なった。また、スギ林伐採前後において、林冠構成種の出現本数を比較したところ、キハダを除いて、有意な差はなかった。これらの結果をもとに、スギ再造林放棄地の天然更新について検討する。