| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P2-025

2つの階層スケールによる植生構造と鳥類との関係             〜階層線形モデル(HLM)による解析〜

*渡邉謙二(横浜国大・院・環境情報),持田幸良(横浜国大・院・環境情報)

森林性鳥類と植生構造は、種多様性と葉層多様度という指標において強い正の相関が描かれる関係にあることが証明されている。しかしながらこの関係は、数十ヘクタール規模における、また、繁殖期に限った結果である。では、こうした関係は、小規模なスケールでも成り立つ関係なのだろうか?また、越冬期にも成り立つものなのだろうか?モデルにより比較検討した。

調査方法は、1調査地473プロットそれぞれにおいて、通年の観察記録から求めた種数(SR)と計測された葉群の階層数、林床層の葉群密度、相観(常緑樹~落葉樹)とをかけ合わせたモデル式を複数作成し、比較検討した。解析には、フリーソフトR上のnlme、multilevelを用いて算出した。

モデル0:ヌルモデル(傾きがゼロ)

モデル1:全数回帰

モデル2:夏鳥と冬鳥を分けた回帰

モデル3:プロットスケールと景観スケールのマルチレベルモデル

それぞれをAICおよびICC(1)により比較した結果、最も当てはまりのよいモデルは、モデル2であり、比較して、マルチスレベルを選択する妥当性は低いと判定された。それぞれのAICの結果は下記のとおりである。(AIC: モデル0:2515.882, モデル1:2510.123, モデル2:2305.803, モデル3:2454.426)。


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