| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
一般講演(ポスター発表) P2-281
花粉を媒介するイチジクコバチの多くの種では、メスは、ある花のうに潜入し、産卵と授粉をした後、その花のうの中で死んでしまう。しかし、イヌビワコバチを含む一部の種では、メスが、産卵後、再び花のうの外に出てくる。その要因として、「他の花のうに再潜入し、産卵する」、「メスが花のうの中で死ぬことにより、子に不利益(カビ/センチュウ/病気)が生じる」などが考えられている。
本研究では、イヌビワコバチにおいて、1つ目の花のうから出てきたメスが他の花のうに潜入・産卵できるのかに注目し、実験を行なった。その結果、ほとんどのメスが1つ目の花のうから出てくるものの、他の花のうに入ることはできなかった。それにもかかわらず、産卵数が極端に少ないメスも花のうから出てきたことから、出てくること自体に何らかの意味があることが示唆された。