| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
一般講演(ポスター発表) P3-136
イシガイ類(イシガイ目)は,河川の一時水域やため池,農業用水路などに生息する淡水二枚貝である.しかし近年,その生息範囲や生息数が減少しており,保全の対象種となっている.イシガイ類の減少要因として,人為的環境改変などの影響による生息適地の減少に加えて,外来種による捕食の影響も考えられる.一方,アメリカザリガニは,食用として日本国内に持ち込まれ,現在は日本各地に分布が拡大した外来種である.本種は,在来生物の捕食などの生態系への影響のみならず,稲や水草の食害,水田の畔に穴を開けるなどの人間の生産活動へも影響を与えている.そこで本研究では,アメリカザリガニによる捕食がイシガイ類個体群(ドブガイ,イシガイ,トンガリササノハガイ)に与える影響を明らかにするために,捕食選択実験を行った.その結果,アメリカザリガニはドブガイの幼貝のみを捕食した.一方,捕食されなかった個体には,イシガイ類の種類や殻長に因らず,アメリカザリガニによる噛み跡が残っていた.