| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
一般講演(ポスター発表) P3-154
新潟県十日町市松之山地域は、人口2,700人弱の小さな農村地域である。ここは、人こそ少ないが、棚田、ブナ林などの美しい景観、そこに暮らす生物の多様性の高さは世界に誇るべき里山といえるであろう。本研究では、この地の景観や生物多様性、これらに関わる生活、文化をも保全していくため、その基盤となる地域資源の探求、共有、発信を市民協働で運用していくためのGISアプリケーション(ワークショップ・ダイジンガー)を開発した。また、技術開発だけに留まらず、それを実践的に運用していくための活用プログラムも企画、実施した。
ワークショップダイジンガーは、市民を巻き込むため、超高解像度デジタルオルソ画像、高速3Dビジュアライザー、データ重ね合わせなどエンターティメント性を高め、かつ、簡易操作性を兼ね備えたたインターフェイスとした。オリジナルカテゴリ作成ツールは、地域づくりワークショップなどにおいて高い効果が期待できる。また、専門的データベースやWeb発信版データベースなどとも連動している。さらに、RFIDオリエンテーリング装置、環境モニタリング装置などとも連動しており、生物多様性保全活動も含めた地域づくりを進めていくための統合的なエンターティメントICTシステムとなっている。
活用プログラムにおいては、市民協働による生物多様性調査や、小中学校の地域学習などの実践研究を行った。今後、更に実践研究を重ね、これらの地域への波及効果や継続的運用を検証し、ICTを活用した市民協働による生物多様性保全活動のモデルを構築していく。