| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P3-287

都市に隣接する多摩丘陵の森林土壌におけるCO2,CH4,N2Oフラックスの空間変動 1.異なる2時期の空間変動の特徴

木村園子ドロテア(農工大・農),岸本(莫)文紅(農環研),関川清広(玉川大学・農),米村正一郎(農環研),大浦典子(農環研),須藤重人(農環研),早川敦(秋田県大・生資科)

丘陵地帯は複雑な地形を有し、狭い地域内で異なる土壌タイプが発達する。丘陵地の森林では局所的に大きく異なる物質循環が生じていると予想される。本研究では、丘陵地帯における地形、土壌タイプおよび植生が、土壌からの温室効果ガスフラックスに及ぼす影響について調査を行った。対象とする温室効果ガスは、二酸化炭素(CO2)、亜酸化窒素(N2O)およびメタン(CH4)である。

対象地とした東京農工大FM多摩丘陵は、東京都八王子市に位置している。敷地内ではコナラを中心とする広葉樹の二次林、スギとヒノキを中心とする人工林が広がる。FM多摩丘陵内の10mグリットに区切ったプロット(100m×100m)において、2008年7月25日および2008年12月5日にグリットの中心、合計100箇所において測定を行った。測定はクローズドチャンバー法を用い、10箇所同時に測定することによって両日ともに13時〜15時の2時間以内に行った。ガスフラックスの測定と同時に、各測定地点の周辺の土壌の採取を行った。

CO2、CH4およびN2Oのガスフラックスは、どのガスも7月の方が12月より大きい値であった。CO2およびCH4は、両時期のフラックスはそれぞれ高い正の相関を示した。N2Oフラックスに関しては、ホットスポット的な場所が存在したが、この場所は、夏季(7月)と落葉期(12月)で必ずしも一致しなかった。本報告では3種類の空間変動パターンを明らかにし、それと地形と植生の違いから解析する。


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