| 要旨トップ | 本企画の概要 | | 日本生態学会第57回全国大会 (2010年3月,東京) 講演要旨 |
シンポジウム S02-3
モニタリングを含む生物多様性の悪化は傾向という科学的な警鐘は、条約の成立時に大きな役割を果たして以来、継続して条約の重要な要素を果たしてきた。生物多様性条約の主眼は「紙の上での文言をどのように実施していくのか」という、実践(インプリメンテーション)と、その過程で先進国と発展途上国という南北の折り合いをどのようにつけていくのかという点に主眼が移行している。
生物多様性の定義から、その用語を使って、どのような事象が問題とされ、各国と関係団体がどのような主張をしているのかを整理していく必要があろう。端的には、生物多様性は環境や科学の問題であると同時に、国際社会や経済の問題でもある。
そのためには、政府、地方自治体、企業、市民、それぞれの立場からの参画が不可欠である。特に、産業界については締約国会議でも、参画が遅れていることが指摘されている。
2010年10月に開催が予定されているCOP10を控え、日本の学術界がどのような貢献を行えるのか、議論をしていく。