| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第58回全国大会 (2011年3月,札幌) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P1-134

地球スケールにおける葉面積指数のメタ解析

*飯尾淳弘(国環研), 彦坂幸毅(東北大), Niels Anten(ユトレヒト大), 伊藤昭彦(国環研)

地球スケールにおける葉面積指数のメタ解析

飯尾淳弘(国環研)、彦坂幸毅(東北大)、Niels Anten(ユトレヒト大)、伊藤昭彦(国環研)

はじめに: 葉面積指数(LAI)は陸域植物群落の光吸収量や物質生産量を推定・評価するうえで重要な因子である。しかし、地球スケールにおけるLAIの変化の程度や、種、植物機能型、気象因子との関係を調べた研究はない。LAIの変化とその原因の理解は、マクロスケールにおける物質収支モデルのParameterizationや群落の動態予測に役立つ。そこで、陸域現存量の大部分を占める木本植物を対象として、LAIのメタ解析を行った。

方法: 400本の論文から約2500サイトのLAIをデータベースに入力した。定義は「単位土地面積あたりの葉の投影面積」で統一し、伐採や施肥など人為的影響の大きなサイトや同じサイトで繰り返し測定されたデータは除外した。LAIの説明要因として、①非生物要因;年間平均気温、降水量、可能蒸発散量、緯度経度、標高 と②生物要因;植物機能型、属種、樹冠高、胸高断面積合計、林齢 を入力した。

データベースの概要: LAIのデータ(サイト)数を国別にみると、アメリカ(631)、日本(230)、オーストラリア(205)、カナダ(163)の順に多かった。植物機能型については常緑針葉樹(923)、落葉広葉樹(729)、常緑広葉樹(522)の順に多く、各機能型の平均LAI(±SD)はそれぞれ、4.63±3.08、4.23±2.96、4.33±2.12であった。属ではPinus(348)、Fagus(218)、Quercus(187)、Eucalyptus(144)の順に多かった。

今後の方針: 生物・非生物要因とLAIの関係について解析し、地球スケールのLAIの規定要因について考察する。


日本生態学会