| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第58回全国大会 (2011年3月,札幌) 講演要旨 |
一般講演(ポスター発表) P3-HS03
北海道に分布するプラナリア類(ウズムシ類)は13種(まだ未確認の種も数種ある)である。富良野地方でどのような種のプラナリア類が分布しているのか明らかになっていない。今年度より富良野地方にプラナリア類はどこに、どの様な種が生息しているのか調べることにした。
富良野地方は東部に十勝岳連峰があり、噴火による溶結凝灰岩が分布している。富良野盆地の基盤岩にもなっている。南部は芦別岳・夕張岳に代表される日高山脈の一部となっていて蛇紋岩など超塩基性岩も分布している。
本研究は富良野地方のプラナリア類の分布を明らかにするとともに、基盤となっている地質構造の違いがプラナリア類の分布に影響を及ぼしているのか明らかにすることを目指している。しかし、今年度始めた研究であり、まだ、十分なデータとなっていない。しかし。現在までに7種のプラナリア類を採取することができた。
鳥沼公園・・・ミヤマウズムシ、キタシロカズメウズムシ、エゾコガタウズムシ、エゾウズムシ、キタシロウズムシ
芦別岳山麓ユウフレ川支流・・・キタシロカズメウズムシ、カズメウズムシ、ヒダカホソウズムシ
鳥沼公園は溶結凝灰岩からの湧水付近で多くのプラナリア類を採取した。キタシロウズムシは湧水付近ではみられず、公園内の湿地内で採取された。種により生息に適する水温が異なることがわかる。
ユウフレ川支流は夕張山系に属し溶結凝灰岩はみられない。ここでは流水中に3種のプラナリア類を採取したが、鳥沼公園と共通する種は1種のみであり、プラナリア類の分布と地質構との関連がある可能性もでてきた。