| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第58回全国大会 (2011年3月,札幌) 講演要旨


一般講演(ポスター発表) P3-HS04

富良野地方における珪藻の分布について

朴田瑞季,稲葉允建,谷本賢耶,大友星矢,菅未紗音(北海道富良野高等学校)

珪藻は植物プランクトンの1種であり、河川から海洋まで多様な場所で生息している。本校裏手を流れる空知川でどの様な珪藻類が生息しているのか興味を持ち調査をおこなった。

調査は毎月1度のサンプリングにより珪藻を採取し、パイプユニッシュ法でSiO2の殻のみにしてスライドグラスを作り検鏡し、種の同定をおこなった。珪藻の種数は10万種ともいわれており、種レベルの同定は難しく属レベルの同定に終わった。空知川本流だけでなく、支流についても比較調査をおこなった。

その結果、季節や河川により主となる珪藻の種類は変化していた。

その他に空知川支流に置いても珪藻の生息調査をおこなったところ、十勝岳温泉直下のヌッカクシフラヌイ川では好酸性のEunotia属を確認するなど、生息する種と河川環境が密接に結びついていることが明らかになった。

また、植物プランクトンは生態系の中で生産者の役割を果たしている。そのことを確かめるために水生昆虫の胃内要物も調査した。その結果、マダラカゲロウは珪藻を摂食していることがわかった。しかし、胃内要物に含まれる珪藻の種構成と河床から採取された珪藻の種構成はことなっており、特定の珪藻を選択して採餌している可能性もある。

現在までに撮影した顕微鏡写真も発表する。


日本生態学会