| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第58回全国大会 (2011年3月,札幌) 講演要旨 |
一般講演(ポスター発表) P3-HS19
円山動物園では円山川の流域に位置する「動物園の森」を再生するプロジェクトを行っている。本研究の目的の一つ目として、「子どもたちが安全に遊び学べる川」にすることを目標に、定期的に水質調査を行って実態を調べた。二つ目として「昔ながらの里山」と呼べる植物環境にするために帰化植物の除去を行った。
調査地は動物園の上流域から下流域までアクセスしやすい7か所を選び、パックテスト、気温、水温、pH、臭い、色について行った。また、糞便性大腸菌の検出を行い、住宅地を流れる際の汚染の状況を調べた。
その結果、アンモニウム態窒素、COD、大腸菌の調査結果から円山川がし尿によって汚染されていることが示された。この原因として野生動物やペットの糞の他に、近隣住居からの生活排水の影響も否定できない。ガーリックマスタード、オオハンゴウソウなどの外来植物の草抜きは、植物の生息範囲が広いためボランティア団体と協力して作業の継続を行う。
今後の活動として、地域の人への呼びかけやNPOや市民団体との連携、円山動物園や市役所などの公的機関との連携も含め、長期的な視野で考えていく予定である。