| 要旨トップ | ESJ58 シンポジウム 一覧 | | 日本生態学会第58回全国大会 (2011年3月,札幌) 講演要旨 |
シンポジウム S11 -- 3月10日 9:00-12:00 J 会場
生物多様性の重要性は広く認識されつつあるが、種の絶滅に関しては依然として深刻な状況にあり、個体数が数十~数百にまで減少した種も少なくない。これらの種に関しては、全個体の遺伝子型をすべて決定(ユビキタスジェノタイピング)し、その情報に基づいて人工交配、移植、生育地外保全などの策を講じることが有効である。本シンポジウムではこのアプローチによる絶滅危惧植物保全の可能性について議論を行う。
ユビキタスジェノタイピングによって得られた興味深い知見として、 100個体以上生存していると思われていた種が遺伝的には1個体であった例、個体群ごとに遺伝的特徴が著しく異なり個体群の遺伝的質と保全努力とが一致していない例、野生と思われていた個体群が過去に人為的に増殖・移植されていた例などがある。また、全個体の生育位置特定のための新たなツールの活用や、空間情報、遺伝子型情報を考慮した数理モデルで個体群の持続可能性を評価する事の有用性も議論したい。
[S11-1] 二次的自然下に生育する絶滅危惧植物保全のためのユビキタスジェノタイピング
[S11-2] 小笠原諸島における絶滅危惧植物保全のためのユビキタスジェノタイピング
[S11-3] 高山における絶滅危惧植物保全のための全個体ジェノタイピング
[S11-4] 様々な繁殖様式をもつシダ植物におけるユビキタスジェノタイピング
[S11-5] 地域固有絶滅危惧種シモツケコウホネを守る:ユビキタスジェノタイピングから見えてきたこと
[S11-6] ラジコンヘリ Falcon-PARSによる絶滅危惧種生育位置の特定
[S11-7] 絶滅危惧植物における全個体遺伝子情報と個体群存続解析