| 要旨トップ | ESJ58 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第58回全国大会 (2011年3月,札幌) 講演要旨 |
自由集会 W02 -- 3月8日 17:00−19:00 B 会場
「社会性」とは、同種個体が集まり協調的なコミュニケーションを行うような性質を指し、古くから動物や人間に見いだされてきたものである。なかでも社会性昆虫は、高度に発達した真社会性を獲得し、生態系において大きな成功を収めている。彼らは、子育て、分業、タスクに特化した形態、栄養交換、発達したコミュニケーションなど特有な性質を持つ。これらの性質は、社会性の成立に重要な役割を果たしており、その機能や起源に関して多くの研究がなされてきた。近年、社会性の成立に貢献する分子・生理機構が徐々に明らかになっており、またこれらを単独性/亜社会性昆虫と比較し、社会性の進化プロセスを理解しようというアプローチも、新たな潮流になりつつある。
本集会では、昆虫の様々な社会形態(亜社会性〜真社会性)に関するメカニズムについて議論し、社会性の進化プロセスの共通理解を目指したい。
シロアリ類とゴキブリ類における栄養交換行動の発達と社会性の進化
コオイムシ科昆虫における父育 paternal care 行動、および仔 (胚) が高める父親の繁殖適応度
兵隊シロアリに高い攻撃性をもたらす神経機構
社会性膜翅目昆虫の繁殖制御に関わるドーパミン系の調節機構
社会性アブラムシにおける兵隊特異的な攻撃毒プロテアーゼ ー分子レベルから見た兵隊アブラムシの進化・行動・生態ー