| 要旨トップ | ESJ58 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第58回全国大会 (2011年3月,札幌) 講演要旨 |
自由集会 W16 -- 3月9日 18:00−20:00 G 会場
淡水二枚貝は物質循環や生物間相互作用を通じて陸水生態系を中心に影響を及ぼしており,淡水二枚貝に依存して暮らす生物は数多く存在する。一部の淡水二枚貝では,生物群集全体を保全する観点から,重要な種として位置づけられつつある。しかし,淡水二枚貝の主な分布域は人口の集中する平野部や扇状地の水辺であり,人間活動に起因する環境改変の影響を受けやすい。また,生活史が特異であることも相まって,絶滅の危機に瀕している種は国内外を問わず数多い。カワヒバリガイなどの外来淡水二枚貝は,人為的な移入によって近年分布を拡大してきている。こうした淡水二枚貝の減少や移入は,本来の生物群集組成や物質循環に変化をもたらすだろう。
こうした状況の中,地域の生態系の健全性を保つために、淡水二枚貝の研究が各地で精力的に行なわれている。本集会では,淡水二枚貝のグループの中で最も絶滅の危機にあるイシガイ類と,生態系のみならず,人の暮らしにも影響を及ぼすカワヒバリガイを対象とした,さまざまな保全生態学的アプローチの最新研究を紹介する。そして,今後研究を進めてゆく上で解決すべき問題点や,将来の展望について議論する。
趣旨説明
物質循環からみた氾濫原水域の成り立ち:二枚貝と安定同位体比によるアプローチ
カワシンジュガイ類の生態と保全について
外来種が在来イシガイ類に及ぼす脅威
特定外来生物カワヒバリガイの分布拡大と在来生態系への影響