| 要旨トップ | ESJ58 自由集会 一覧 | 日本生態学会第58回全国大会 (2011年3月,札幌) 講演要旨


自由集会 W25 -- 3月11日 18:00−20:00 F 会場

泥炭湿原の炭素動態の解明 -サロベツ湿原を例として-

企画者: 平野高司(北大・農)

湿原は,希少生物の生育場所として生物多様性の観点から重要視されることが多かったが,泥炭として莫大な量の土壌有機物を貯蔵していることから,最近では地球温暖化の文脈から注目されるようになった。開発行為にともなう水文環境の悪化や温暖化は,泥炭中の土壌有機物の分解を加速するため,近い将来,湿原が大気に対する大規模なCO2ソース(放出源)となることが懸念されている。しかし,湿原(泥炭地)の炭素動態に関する知見は不足しており,炭素フローに関するフィールド研究は発展途上である。そこで本集会では,植生変化(ササの侵入)が問題となっているサロベツ湿原(高層湿原)で研究を行っている多分野(植物生態学,水文学,空間情報学,土壌学,微気象学など)の研究者が集まり,湿原生態系の炭素動態に関する様々なアプローチによる研究成果を紹介する。

ササ群落の拡大と湿原植生の地上部バイオマス *藤村善安,冨士田裕子(北大・植物園)

サロベツ湿原の水文環境 井上京(北大・農)

泥炭中の炭素蓄積量の空間解析 高田雅之(北海道環境科学研究センター)

泥炭土壌における温室効果ガス放出 波多野隆介(北大・農)

人為的攪乱を受けたボッグの水文過程と炭素流出 *山田浩之,平岡亮太郎,田中祥人,平野高司(北大・農)

サロベツ湿原の炭素収支 平野高司(北大・農)


日本生態学会