| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨 ESJ59/EAFES5 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-084J (Poster presentation)
ツブラシイ・コナラの優占する林分において菌根菌の子実体発生調査を2005年7月上旬~11月上旬、2006年5月下旬~11月下旬にかけて行った。調査地は京都市左京区吉田神社の社寺林で、調査面積は2005年が約1.2 ha、2006年は斜面上部の0.8 haを加えて約2 haとし、発生した子実体の位置と種名、本数を記録し、乾重を測定した。2005年に調査区内に発生した菌根菌は10科89種2,206本(乾重3,407 g)、2006年に調査区内に発生した菌根菌は12科120種4,485本(乾重7,980 g)であった。2005年、2006年ともにベニタケ科が優占しており、その中でもシロハツモドキが本数、乾重ともに約半分を占めていた。次いでイグチ科、テングタケ科の子実体が多く発生した。2005年の発生ピークは本数では7月下旬と10月下旬~11月上旬の2回、乾重では7月下旬の一度であった。これは7月下旬には大型のシロハツモドキやイグチ類が多数発生したのに対して、晩秋に発生した子実体の多くが小型で重量が小さかったためである。2006年の子実体発生本数のピークは6月下旬~7月上旬と9月中旬~下旬の2回みられたが、乾重では9月中旬~下旬の1度だけであった。調査地を2005年については、25 m2、100 m2、400 m2、900 m2、1,600 m2、4,000 m2の小区画に分け、調査面積と発生種数の関係について解析したところ、1,600 m2までは種数は面積の増加に伴い急激に増加した。その後も種数は面積の増加に伴い増加し続けた。本調査区のShanonの多様性指数は2005年は3.1であり、2006年は2.7であった。