| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


一般講演(ポスター発表) P3-251J (Poster presentation)

イノシシ分布拡大時における水稲被害の地理的発生要因

*清水晶平 山本麻希 長岡技術科学大学

農林水産省によると、2000年以降、イノシシ(Sus scrofa)による農作物の被害金額は全国で50億円を超え、被害地域も拡大しつつあり、深刻な社会問題となっている(農林水産省生産局統計資料)。新潟県でも2003年頃からイノシシの分布拡大に伴う水稲被害が急増しており、今後も被害の拡大が予想される。そのため、どのような環境の場所でイノシシの被害が生じやすいかという情報は、今後のイノシシの被害拡大を防止する上で重要である。そこで本研究は、イノシシによる水稲被害が生じた場所(2004年から2010年の夏期)とイノシシが目撃された地点(2009年と2010年の冬期)の地理的な発生要因を評価することを目的とした。水稲被害の発生地点と目撃地点に関係する植生、水域、道路や標高などの地形情報、電気柵からの距離や土地利用、さらに、積雪量といった環境要因をGISアプリケーション(ESRI社製ArcGIS9.3)を利用して抽出した。また、二項分布を仮定した一般化線形モデルを行い、イノシシの被害地や目撃地点に寄与する地理的要因を明らかにした。要因分析の結果から、イノシシによる被害が生じる可能性が高いエリアを考察する。また、イノシシの分布拡大や電気柵の設置域の拡大に伴う水稲被害の経年変化についても報告する。


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