| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


一般講演(ポスター発表) P3-HS01J (Poster presentation)

ショウジョウバエの食欲の匂いによる促進効果

鈴木健弘, 清永晋平, 村上賢悟, 玉木翼 (福岡県立小倉高等学校)

キイロショウジョウバエDrosophila melanogaster(以下ハエ)は実験動物として非常にポピュラーな種であり、実際多くの実験で使用されている。本校生物部ではこれまで、ハエにおける匂いと味の相互作用について調べており、その結果、ハエは人間と同様、好きな匂い(発酵食品)を嗅いでいるときは水(好きでも嫌いでもない)の匂いを嗅いでいるときに比べ、食欲が増し、摂食量も増加するということが判明した。

昨年度からはハエにおける匂いと味の学習行動について調べた。ハエが好きでも嫌いでもない2種類匂いとハエが好きなスクロースと嫌いなNaClとをそれぞれ組み合わせて匂いと味を関連付けて、絶食したハエを学習(連合学習)させた。その後、満腹状態にした後、同様の実験をした。この実験から、ハエは連合学習は可能だが、満腹状態になると学習したことを忘れる、もしくはどうでもよくなってしまうという結果が得られた。

私たちは、ハエの学習の仕組みを解明することによって、ヒトの脳の働きを明らかにし、アルツハイマー等の脳の病気のメカニズムや治療法、予防法の発見に協力していきたい。


日本生態学会