昨年度までは、岐阜市内及び周囲の９地点において、プラナリア（ナミウ ズムシ）のDNA分析と核型分析を行い、生殖系統と遺伝的関係・地理的関係を明らかにすることを試みた。この中で美山円原川（伏流水が流れ込んでいる）においては、有性系統と無性系統、およびDNA型の混在が見られたため、 その理由を探るべく研究を行うことにした。

今年度の研究では、美山円原川をさらに細かく９地点に分け、水温や水量などを調べ、各地点から捕獲した個体の交接器の有無と核型分析及びDNA分析 を行った。その結果、有性系統が存在する地点は冬に伏流水が枯れるなど厳しい環境と考えられる場所であり、常に水が存在する場所では無性系統が見られた。また２つのDNA 型については、２つのうち１つが大部分を占めており、少数のものはどこかから移入してきた可能性がある。次に捕獲時にプラナリアのいる石といない石があったため、色を識別確認 実験を行ったが、認識している結果は得られなかった。よって、石の表面の 状態の違いの可能性もあるため、材質を変えての実験を行った。