| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨 ESJ59/EAFES5 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P3-HS10J (Poster presentation)
岐阜市内のある地点に調査に行ったところ、琵琶湖固有種特有のイボがあるカワニナの殻を発見した。近くの施設に尋ねたところ琵琶湖産のカワニナを購入し岐阜市内の17ケ所で放流していることがわかった。そこで、この放流が生態系に及ぼす影響を調べるために次の5つの調査研究をした。
Ⅰ 聞き取り調査及び現地調査 Ⅱ 遺伝子調査 Ⅲ 流れに対する耐性 Ⅳ ホタルの幼虫に対するカワニナの行動 Ⅴ 低温に対する耐性
これらの結果、琵琶湖産のカワニナはホタルの幼虫の餌としての役割を十分に果たすことがわかった。しかし、外見上も遺伝子的にも全く異なる琵琶湖固有種の人為的な放流は生態系に悪影響を及ぼす可能性がある。これらの研究内容を琵琶湖産カワニナ放流団体の代表者が集まる「ホタル会議」で発表した。発表の後、たくさんの質問をいただき、互いの意見を交流した。その結果「琵琶湖産カワニナの放流を来年度以降実施しない。」ことが決議された。