| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨 ESJ59/EAFES5 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P3-HS13J (Poster presentation)
多治見市は2007年に40.9℃を記録するなど酷暑の街として知られる。我々は多治見の局地気象について,①本当に暑いのか、②どこが暑いのか、③どうして暑いのかの3点に注目し研究を行った。
①では,多治見市内・外に気温測定器を設置し,隣接する春日井市,土岐市との気温比較を行った。②では,市内39箇所に測定器を設置して気温分布の把握を行った。③では,市街地上空の風の動向調査、土壌含水率の調査の二面から解明を試みた。
①の市内・外の比較では,多治見は隣の春日井市とはさほど日中の気温に差が無く、夜は多治見の方が気温が低かった。②では,気温分布から等温線をひき,市内の詳細な気温分布を把握した結果,市街地北部が最高温となった。特にアメダスが設置されている多治見北消防署は突出して気温が高く,その環境が高温記録の原因となっている可能性が判明した。また,夜には,盆地外縁部からの緑地の冷却効果が見られた。③の風の測定では,多治見盆地内部で空気が滞留している可能性が示された。また土壌含水率の測定では,土壌含水率と湿度の推移が類似しており,土壌含水率が大気湿度,ひいては気温に影響していることが示唆された。