| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


一般講演(ポスター発表) P3-HS20J (Poster presentation)

真正粘菌モジホコリの餌選好性

大石珠央, 堀田愛美 (早稲田佐賀中学・高等学校)

真正粘菌と呼ばれる生物がいる。あまり知られてはいないが、実は身近にいるごくありふれた生物である。動物、植物、菌類とも異なるこの生物は変形体というアメーバ状の形態で生活する時期がある。真正粘菌モジホコリの変形体は、寒天培地上に作った迷路の端の二カ所に置いた餌を最短経路でつないで迷路を解き、一躍有名となってイグノーベル賞を受賞した。私たちは、このなんとも効率的で賢い行動を示すモジホコリがどのような餌を好んで食べるのかに興味を持った。オートミールを与えれば簡単に飼育できるが、本来はどのような餌を好んで食べるのか知りたいと思ったからだ。野外では菌類を食べていると聞いたため、まず、私たちの食生活でおなじみの菌類3種(エノキ、ブナシメジ、シイタケ)とオートミールを与えて、それぞれを単独で与えたときの変形体の広がり方を観察した。また同時に、これらの餌を2種類ずつ細長く切った寒天培地の両端に置いて、餌の選好性(好き嫌い)も調べた。予備実験では、シイタケ・ブナシメジ・エノキ・オートミールの順で、変形体の広がり方が大きく、好まれやすい傾向が見られた。進行中の実験結果も合わせて報告したい。


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