| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨 ESJ59/EAFES5 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P3-HS29J (Poster presentation)
おとめ山公園は、湧水を起源とする環境であり、独自の生態系が形成されていると考えられる。そこで、公園内の池のプランクトン群集の調査をするため、2009年より毎月1回、クロロフィル量およびセストン量の測定、流量、プランクトンの観察を行った。その結 果、クロロフィル量と流量には負の相関があった。また、流量の要因を除去した際のプランクトン群集に与える生物的影響を調べるため、公園内の池の底の土を5L採取し、これに約50Lの水を加えたミクロコスムを4つ用意した。4つ のミクロコスムのうち、コントロールをⅠとし、メダカを5匹(平均体長3.3cm)入れた ものをⅡとし、コイを2匹 (平均体長9.7cm)入れたものをⅢとし、ザリガニを1匹入れたものをⅣと した。そしてpH、EC、 水温、セストン量、クロロフィル量を測定し、植物プランクトンを同定し、動物プランクトンを計数した。その結果、Ⅲではセストン量やEC、クロロフィル量が増加しており、ⅡやⅢでは、ⅠやⅣに比べて、動物プランクトンの発見数が減少していた。つまり、コイやメダカなどの生物の活動によって植物プランクトンが増加し、動物プランクトンが減少する傾向が示唆された。