| 要旨トップ | ESJ59 自由集会 一覧 | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨
ESJ59/EAFES5 Abstract


自由集会 W18 -- 3月17日 17:30-19:30 H会場

津波被災地の復興に貢献する海岸エコトーンモニタリング

企画者: 富田瑞樹(東京情報大・総合情報), 菅野洋(宮城環境保全研究所), 平吹喜彦(東北学院大・教養), 原慶太郎(東京情報大・総合情報)

「海岸エコトーン」とは「海と陸,河川が交錯する推移帯」をいう(平吹ほか,2011).東日本大震災の津波で被災した仙台湾の砂浜海岸エコトーンは,瓦礫の集積・分別用地となるなど,環境の不可逆的変化にさらされている一方,干潟や砂丘植生,海岸林の一部は自律的に再生しつつある.私たちは震災後間もない5月に「海岸エコトーン復興プロジェクト・仙台湾」を立ち上げ,汀線から水田に至る領域で生物と環境の変化をモニタリングしながら,行政・住民による復興計画策定・実施に海岸エコトーンの視点・原理を導入することを目指して活動を開始した.また,6月には行政・住民・市民団体等との情報共有・意見交換を目的とした「フォーラム 仙台湾/海岸エコトーンの復興を考える」を仙台で開催した.

本集会では,被災前後の植物・底生生物・昆虫群集、および人為の実態を紹介したうえで,これを叩き台として,海岸エコトーンという視点・調査手法の妥当性や,調査成果の復興計画・事業への導入のあり方について議論したい.多様な研究者・専門家の参加が得られる生態学会の自由集会でこそ,新たなパラダイムや社会貢献活動の構築に向けた糸口が形成されるものと考える.

景観再生・復興計画支援にかかわる海岸エコトーンという視点,そして南蒲生サイトのモニタリングデザイン 平吹喜彦(東北学院大・教養)

南蒲生モニタリングサイトにおける植生の状況と自律的再生の可能性 菅野洋(宮城環境保全研究所)

南蒲生モニタリングサイトにおける海岸林の被災状況 富田瑞樹(東京情報大・総合情報)

仙台湾海岸エコトーンにおける底生生物の動態 鈴木孝男(東北大院・生命科学)

仙台湾海岸エコトーンにおける昆虫類の動態 ―特に 有剣ハチ類の津波前後の生息状況の比較 郷右近勝夫(東北学院大・工)

南蒲生モニタリングサイトから海岸エコトーンという景観再生へ 原慶太郎(東京情報大・総合情報),平吹喜彦(東北学院大・教養)


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