| 要旨トップ | ESJ59 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨 ESJ59/EAFES5 Abstract |
自由集会 W20 -- 3月17日 17:30-19:30 J会場
近年、里地里山において野生動物による農林業被害が深刻化している。従来の施策は、国からの指針に基づく、行政によるトップダウンの計画により行われてきた。しかし、現場における被害の実態や、対策の結果を評価し、計画に反映させるためのフィードバックの仕組みが欠けており、その結果、行政と住民がすれ違いの状態となってしまう場合も少なくない。これらの課題を解決するには、フィールドワークに根差した、ボトムアップ型のアプローチによって、現場を踏まえた制度設計を目指す必要がある。一方で、全国規模で起こっている野生鳥獣の分布拡大に対応するには、県全域や複数県にまたがる広域での連携も重要であり、複数のスケールで問題をとらえていく必要がある。
この自由集会では、「統合的な野生動物管理システムの構築プロジェクト」の研究成果を紹介し、統合的な野生動物管理システムの案を提示する。
趣旨説明
集落周辺の環境の現状と野生動物による利用実態
イノシシの痕跡調査からみた集落周辺の環境利用
集落スケールにみる地域社会における地元住民の獣害への対応
野生動物の空間解析に分布データの特性が与える影響について
野生動物管理学に貢献する進化集団遺伝学の時空間統計解析: 日本の野生動物管理に求められる統合的なデータ解析と、広域的管理の必要性
統合的な野生動物管理システムの構築に向けて