| 要旨トップ | ESJ59 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨 ESJ59/EAFES5 Abstract |
自由集会 W21 -- 3月17日 17:30-19:30 K会場
環境に応じて表現型を変える「表現型可塑性」は,生物が生態環境で生きるために獲得した優れたシステムである.表現型可塑性を導く環境要因は様々だが,個体間コミュニケーションが要因になることも多い.コミュニケーションの方法は生物種ごとに多様で,生じる表現型もバリエーションに富む.一方で,表現型の改変は個体間コミュニケーションに応答する柔軟な発生過程に支えられており,そこには「未知の共通原理」があると予想される.ここにアプローチするには,野外調査に基づき生態学的意義を明らかにすると共に,実験的手法による至近メカニズムの解明が必要だろう.そして,「コミュニケーション」をキーワードに研究事例を統合することで,共通原理に至る新たな可能性が見えてくるのではないだろうか.
本集会では生物間で起こる情報の授受を広義のコミュニケーションとし,これに基づいて環境適応する生物に見られる表現型可塑性に関する話題提供をしてもらい,共通性や多様性の理解を深める場としたい.
シロアリの兵隊分化を調節するカースト間相互作用による発生制御
植物間コミュニケーションによる食害抵抗性の誘導およびそれらに影響を与える生態学的要因
ミジンコ類における捕食者に誘導される表現型多型とその制御機構
クマノミ類の性分化を誘導する社会的相互作用