| 要旨トップ | ESJ59 自由集会 一覧 | | 日本生態学会第59回全国大会 (2012年3月,大津) 講演要旨 ESJ59/EAFES5 Abstract |
自由集会 W31 -- 3月19日 17:30-19:30 K会場
近年、野生動物がバランスを崩して極端に増加し、農林水産業や生態系に影響を及ぼすことが増えてきている。地域の博物館は、一般住民や自然保護団体と接する機会が多いが、野生動物被害者や行政担当者から野生動物への対策に助言を求められることも増えてきた。資料や情報の収集・蓄積能力と、展示や教育普及活動による多様な発信手段に加え、異なる価値観の人々を結びつけた活動をする立場にある博物館は、野生動物への対策においても、さまざまな立場の人々と情報・価値観を共有することで可能になる「根源的かつ実践的な順応的研究」を行える可能性がある。しかし、博物館のこのような機能はあまり認識されておらず、既存の枠組みや認識の中で個々の学芸員が奮闘しているのが実情である。
本集会では、博物館研究者が関わる4つの事例を取り上げ、博物館ならではの野生動物に関わる最前線での研究と、それを活かした活動について紹介し、野生動物の管理等の取り組みにおける博物館の役割や課題について議論したい。
話題提供
「カワウと人の過去・現在・未来 -博物館での分野横断的研究と成果発信-」
亀田佳代子(滋賀県立琵琶湖博物館)
「県立博物館での哺乳類研究の範囲 -県外でのツキノワグマ研究と県内でのアライグマ研究-」
山崎晃司(ミュージアムパーク茨城県自然博物館)
「クジラは獲るもの?護るもの? -小さな町の博物館にできること-」
中江環(太地町立くじらの博物館)
「野生生物対策をめぐる論理と感情 -“正論”だけでは進まない-」
中井克樹(滋賀県立琵琶湖博物館)
コメント
「野生動物管理において博物館に期待すること」
坂田宏志(兵庫県森林動物研究センター)