| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(口頭発表) B1-03 (Oral presentation)

QRコード樹木番号札を利用したさいたま市荒川河川敷河畔林における植生調査およびその活用

*若山 正隆(東大・院・農),古橋 光弘,山口 綾子,佐藤 正人(浦和自然観察会),大澤 元(自然観察指導員埼玉),中村 純子,西ノ原 章浩,今井 利和,関口 春男(浦和自然観察会),高橋 勝緒,高橋 絹世(和光・緑と湧き水の会),太田 和夫(元埼玉県立自然史博物館)

植生調査における毎木調査では従来、樹木番号札としてプラスチック製の番号テープ等が利用されてきた。これらの番号は多くの場合1年程度で調査を完了させ、その調査に従事した者の間で調査の際には必要なものだが長期間の利用を考慮したものでないことが多い。また樹木番号に関する地図や資料を持っている者にとっては重要な番号ではあるが、これ以外の者にとっては重要性が薄い。このため既に毎木調査がなされている場所であっても研究グループが異なり、以前の調査者が不明であれば新たな調査が必要となる。さらに以前の植生調査の記録をもとに再調査を実施しようとした場合、文献上の記載は解釈されたデータであることが多く、該当する林域は分かっても詳細にどの範囲で行ったかを絞り込むことは難しく、樹幹ベースの詳細な経年変化を知ることは難しかった。

演者らは埼玉県さいたま市秋ヶ瀬公園内の河畔林において約15年前に毎木調査を含む植生調査を実施し、更に経年調査として2011年から再調査を実施している。前述の樹木番号札の問題点を考慮し、また今後の再調査を念頭に、樹木番号札としてQRコードをつけたラベルテープを利用し、樹木情報管理を開始している。本発表ではこの方法の有効性と利用活用について、特に調査地が公園という立地環境を活かした活用法について報告する。


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