| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P1-053 (Poster presentation)

アクアポリンRsPIP2;1過剰発現ユーカリにおける成長や光合成機能への影響

*北条謙弥(京都工繊大),河津哲(王子製紙・森林資源研),前島正義(名古屋大・生命農学),半場祐子(京都工繊大)

ユーカリは製紙原木として現在最も広い栽培面積をもつ植物であり、その種類は数百種類と言われており、遺伝的多様性に富む植物である。中国、インド、ロシアなどの発展途上国における人口増加の懸念から紙の需要増大が予測され、作付面積の増加と同時に面積当たりの生産量の増大、すなわち高成長性が求められる。そこで、水透過性とCO2透過性を有するとされる膜局在型タンパク質のアクアポリンに着目し、先行研究ではアクアポリンを過剰発現させた形質転換体において、成長速度(Aharon et al. 2003)と光合成速度の向上(Hanba et al. 2004;Flexas et al 2006)が報告されており、植物の高成長性を実現できると示唆されている。本研究では二十日大根由来のアクアポリンRsPIP2;1を導入した形質転換ユーカリ2系統(PIP2-10、PIP2-9)と、非形質転換体とを用いて成長や光合成機能について比較し、アクアポリン導入の有用性について考察した。ユーカリの成長については45日間での枝の伸長、幹の直径の増大、樹高の増大について測定したが、形質転換系統と非形質転換系統に有意な差はみられなかった。また、光合成能力については十分に展開した任意の1枚の葉を選び、Li-6400を用いて光-光合成曲線を得たが、これに関しても、形質転換体と非形質転換体に有意な差はみられなかった。


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