| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨 ESJ60 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P2-170 (Poster presentation)
企業保有地の土地利用においては、法規制により緑地の量は確保されつつあるが、生物多様性への貢献の視点は不十分であった。ところが、COP10開催を契機として、緑地を活用して劣化している都市の生態系サービスを強化し、地域生態系にも貢献したいという意識が企業の間に高まっている。そこで、生物多様性の保全を目指して積極的に行動する企業の集まりである「企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB)」の持続的土地利用ワーキンググループと東北大学は、企業保有地での生物多様性保全への取り組みを推進するためのガイドライン、土地利用を評価して貢献度を可視化する「土地利用通信簿®」、取り組みの成果を確認するためのいきものモニタリングシートの3点からなる「いきもの共生事業所®推進ツール」を開発し、産業界への普及に取り組んできた。それらはいずれも社員参加型で使える簡便で実践的なツールとすることを目指した結果、多くの企業保有地に適用され、ユーザーの意見を反映したツールの改良も進めている。
本稿では、ツールの詳細を解説し、科学的妥当性と実用性について議論する。