| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P3-HS02 (Poster presentation)

サツマイモとジャガイモのβアミラーゼについて

*保科珠季(横浜市立横浜サイエンスフロンティア高等学校・サイエンスリテラシー)

サツマイモに含まれるβ-アミラーゼは、焼き芋が甘くなることから、60℃前後で活性があると推測される。自然環境でこのような高温になることは想定しにくく、本来は蓄えたデンプンを分解し発芽や発根など成長に使うと思われる。このことから、イモの生活史の各段階で、植物体に含まれるβ-アミラーゼ量を調べ、その役割を考察することを試みた。

アミラーゼの抽出および定量は、ゲルろ過カラムでの分離と、得られたタンパク質グループを等電点電気泳動でさらに分離する方法で行った。活性はスクリーニングされたタンパク質をデンプン溶液に加え分解反応を試みて後ヨウ素デンプン反応で比色分析する方法をとった。

また、ジャガイモにもβ-アミラーゼが含まれるが、焼き芋のようには甘くならない。これは、サツマイモがジャガイモよりより高温の環境で適応してきたためではないかと推測し、確かめることとした。本実験結果からは、両者のβ-アミラーゼの変異までは明らかにはできないが、進化系統などから考察を行った。


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