| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P3-HS03 (Poster presentation)

守れ!ふるさとのカスミサンショウウオ~保護活動と遺伝的多様性の分析Ⅲ~

*二村凌,*米川可奈子,大澤拓巳,近藤理子,安田伸,宇野真,*加藤真帆,小林敬弘,真田樹也,篠原悠希,*高橋晃太郎,常川晃輝,廣江永,細江恭輔,堀口晏奈,安澤晃,馬淵朋哉,梅村啓太郎,大前佳穂(岐阜県立岐阜高等学校),向井貴彦(岐阜大学地域科学部),高木雅紀(岐阜県立岐阜高等学校)

本研究では,岐阜市におけるカスミサンショウウオの保護活動と成果,遺伝的多様性等について報告する.岐阜県内では,現在2ヵ所でカスミサンショウウオの生息が確認されており,我々は,個体数が少なく,絶滅の危機に瀕している岐阜市の個体群の現状を調査し保護活動に取り組んでいる.2007年から2012年までの6年間で合計9831匹の幼生を変態・上陸直前まで飼育し,放流した.2010年から個体数の増加がみられ,若齢個体も繁殖に参加し始めた.繁殖に訪れた成体を捕獲し,麻酔をかけ計測するとともに,尾部先端の組織を採取し,マイクロチップを埋め込み放逐し,個体識別を行った。採取した組織片からDNAを抽出し,ミトコンドリアDNAのシトクロームb遺伝子の一部をシークエンスした。得られたデータから,2008年から2012年までの保護活動を開始してから5年間の,年ごとのハプロタイプの頻度を算出した。また,近隣5地域(岐阜県揖斐川町,愛知県名古屋市,愛知県田原市,三重県津市,三重県志摩市)のシトクロームb遺伝子のデータを加えて,ハプロタイプネットワークを作成し,岐阜市と近隣の個体群との関係についても考察を加えた。


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