| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P3-HS05 (Poster presentation)

奄美大島のノイヌ・ノネコの食性調査

*大久保千裕,*井上孝夫,*平山颯之介,*熊谷美音,*神出真由,辻井美玖,白川美里,丸岡優里,上久保真里(大阪府立豊中高等学校・生物研究部)

奄美大島のノイヌ・ノネコの糞31サンプルを分析し、その内容物を調べた。糞は奄美野生生物保護センターの方が2009年9月~2011年10月の約2年の間に、奄美大島の山中で拾ったものを使用した。糞は大きさ(直径・長さ)を測定した後、流水で洗浄し、乾燥させ、残留物を調べると、アマミノクロウサギやアマミトゲネズミ、ケナガネズミなどの骨や毛が出てきた。特徴的な骨や毛から、何の生物種が捕食されているのかを調べた。なお、直径が22mm以上のものをノイヌ、22mm以下のものをノネコとしている。今回の分析の結果、31サンプルのうちノイヌ糞が16サンプル、ノネコ糞が15サンプルであった。絶滅危惧種であるアマミノクロウサギやアマミトゲネズミ、ケナガネズミが出てくる確率は、ノネコ糞では60.0%、ノイヌ糞では93.8%にのぼった。ノイヌ・ノネコ糞としてまとめても、その確率は80.6%という高い確率であった。これらの結果から、ノイヌ・ノネコはかなりの確率で、奄美大島の希少な野生動物を捕食していることが示唆された。


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