| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨
ESJ60 Abstract


一般講演(ポスター発表) P3-HS07 (Poster presentation)

外来種タカサゴユリの分布特性と繁殖特性

*藤田純歌,*相曾優香,*山下美生,*山下小百合(静岡県立浜松湖東高等学校・天文生物部)

外来種タカサゴユリの分布特性を 1-1:学校内および周辺での分布 1-2:土壌硬度、繁殖特性を 2-1:種子の生産能力 2-2:温度と光による発芽能力の違いの点から調べた。結果は 1-1:学校敷地、周辺の民家(35箇所)、畑(13箇所)、草地(5箇所)に分布していた。1-2:硬度は2~29mmの値を示し、15mm以上は全体の61%であった。2-1:自家受精と他家受精による種子数に大きな差はなかった。2-2:明条件では5℃と25℃で発芽率はほぼ100%であった。暗条件では25℃で発芽率が低かった。30℃では両条件とも全く発芽しなかった。考察は 1-1:学校内および周辺ではタカサゴユリはすでに定着している。1-2:一般の植物が侵入定着しにくい土壌(硬度15mm以上)の場所への進出が可能である。2-1:生殖方法に関係なく約900個の種子を作る。球根でも増えるため、一生涯に多量の種子生産が可能であり、分布拡大の有力な手段である。2-2:2011年の結果を含めると、5~18℃では光が当たりにくい場所、例えば植え込みの中でも十分発芽できる。しかし、25℃の場合は光が当たらない場所での発芽は制限される。5℃でも発芽できるため、今後はより涼しい環境、例えば標高の高い場所などへの進出も可能である。


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