| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第60回全国大会 (2013年3月,静岡) 講演要旨 ESJ60 Abstract |
一般講演(ポスター発表) P3-HS19 (Poster presentation)
埼玉県所沢市の北野の谷戸は、狭山丘陵に位置しており、ボランティアによる休耕田の復田や稲作、雑木林の管理などが行われている。北野の谷戸の水田、畑、雑木林(トトロのふるさと基金のトラスト地:11、16号地)等に生息する昆虫相を明らかにするために、目視での調査を2011年4、 10、11月、2012年3、6、9、10、11、12月に行った。また、2012年6月には16号地でベイトトラップによる調査を行った。ベイトトラップによる調査で記録した昆虫は16種で、ほとんどがコウチュウ目オサムシ科やシデムシ科の昆虫だった。今回の調査では、調査が1回だけで あったり、獣対策が不十分だったりなど、問題点も多く見つかった。目視とベイトトラップの調査で記録した昆虫は120種だった。最多はコウチュウ目で36種、次いでチョウ目、カメムシ目という結果になった。生息環境別にみると、いわゆる里山(雑木林や水田、畑)的な種は64種だった。このことから、この場所では人が手を加えることによって徐々に里山的な環境に移行していると考えられ、今後の里山管理作業によっては、昆虫相が大きく 変化していくこともあり得る。発表ではこれらの点について、より深く考察していく予定である。