| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(口頭発表) D2-01 (Oral presentation)

ヒトにおける体重と体組成の変動パターンおよび体脂肪率に変化を与える要因

加藤元海(高知大・黒潮)

体重や体脂肪率をはじめとする体組成は、近年、美容的な面からだけでなく健康長寿の観点から人々の関心を集めている。本研究では、市販の体脂肪計を用いて測定された7年もしくは4年にわたる長期データを基に、体重や体組成の変動パターン、および、体脂肪率を変化させる要因を明らかにすることを目的とした。体重や体組成は日々の変動は激しいが、1ヶ月単位で平均化すると比較的なめらかな季節変動を示した。体脂肪率は夏には低く冬には高い傾向がみられ、逆に、骨格筋率は夏には高く冬には低かった。体脂肪率に比べて骨格筋率は季節的な変動幅が小さく、1年を通して比較的安定した体組成項目であった。体脂肪率に対しては、居住地域と短期的なアルコール摂取の影響がみられ、高緯度地域では体脂肪率が高く、飲酒量とともに翌日の体脂肪率が低くなる傾向があった。高緯度地域では、低温環境に対して脂肪をため込む生理的反応のために体脂肪率が増加したと考えられる。アルコールについては、飲酒による翌日の体のむくみから相対的に体脂肪率が減少したと考えられる。


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