| 要旨トップ | 目次 | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨
ESJ61 Abstract


一般講演(口頭発表) G2-03 (Oral presentation)

ボイドの規則を用いた魚の群れモデル:群れの二つの型とサイズの変化

*久保裕貴(九大・シス生),巌佐庸(九大・理)

様々な種類の虫や鳥、魚がそれぞれに特徴的な形や速さを持った群れの行動を示す。我々は、平面上での魚の群れ形成のモデルを作り、その挙動を調べた。このモデルでは、それぞれの個体は相互作用の範囲内にいる他個体に影響され、泳ぐ向きを変える。ごく接近した距離における「回避」の外では、個体は他個体と向きを揃える「整列」と他個体の方へ向かう「引き寄せ」によって、自らの泳ぐ向きを決める。

整列と引き寄せの相対的な強さによって、モデルが示す群れの挙動は、回転型と行進型の二つに分けられる。引き寄せに対する整列の強さが大きくなるにつれて、群れの形は (1)回転型、(2)回転型と行進型の共存、(3)短い行進型、(4)長い行進型、(5)幅広い行進型と変化する。

また、回転型の大きさを計る公式を導きだし、それに基づいて、回転円の半径は群れの中の個体数によって変化しないが、個体の泳ぐ速さによって大きくなり、他個体への向き変化の感度によって小さくなることを説明する。


日本生態学会