| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨 ESJ61 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PA1-083 (Poster presentation)
窒素固定は、貧栄養環境条件下で生育する窒素固定植物の窒素獲得を介して、それらの成長と生存に特に強く影響し、植生の特徴を決定づけることもある重要な機能である。窒素固定機能により、植物の窒素獲得量は増加し、成長や生存にポジティブな影響をもたらす。しかし一方で、根粒菌との共生関係を維持することに伴う炭素消費量が大きい複雑な機能でもある。窒素固定機能は植物の成長と生存に対して相反する二つの効果を持つ興味深い機能であるため、コストとベネフィットの絶対量そのものや、それが個体レベル、個体群レベルでどの程度の大きさになり、集団のかたちにどのような影響が出るのか実験的に計算した生理学的数値や、それを元にした数理モデルが複数提案されてきた。本発表では、窒素固定のコストとベネフィットを中心に、これまでその機能が生態学的にどのように理解されてきたのかをレビューする。