| 要旨トップ | 目次 | | 日本生態学会第61回全国大会 (2014年3月、広島) 講演要旨 ESJ61 Abstract |
一般講演(ポスター発表) PA3-002 (Poster presentation)
北海道中央部ではトドマツが標高200m程度から1200m程度まで幅広く天然分布しているが、標高間相互移植試験により、自生標高から離れた標高に植栽するほど、生存率や成長が低下する傾向があり、自生標高に遺伝的適応している可能性が示唆されている。東京大学北海道演習林には、低標高(530m)と高標高(1100-1200m)の自生個体同士で相互に交雑させたF1試験地が存在するが、この試験地は設定から30年が経過し、開花や結実が見られるようになってきた。そこで、2011年5月に父母の異なる高標高×低標高のF1個体同士を相互に人工交配し、F2種子を作出した。現在、これらのF2種子を圃場に播種し、発芽、開芽、冬芽形成日などのフェノロジーと成長等の表現型の測定を蓄積するとともに、各個体からDNAを抽出し、交配が確実に行われたもののみを選んだうえで、RADシーケンス法で測定した表現型に関連する遺伝子のQTLマッピングを行う予定である。今回は、全体の研究フレームワークを紹介するとともに、1)材料の詳細、2)交配の確認結果、3)表現型形質の分布とその特徴、4)トドマツのRADシーケンス法の条件検討、の4点について紹介する。